大阪医科薬科大学対策・出題傾向と分析
★大阪医科薬科大学突破へのアドバイス
先日記事で取り扱った近畿大学医学部と同様、大阪医科薬科大学(2021より統合再編・前大阪医科大学)についても皆さんの合格に直接役立つ情報を惜しみなくお届けしてまいります!
医学部受験生の皆さんは大阪医科薬科大学に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?立地が良い・学生生活が華やかそう・でも偏差値が高くて合格は難しそう・・・といったところでしょうか。
いずれにせよ「行けるなら行きたい医学部の一つ」ではないでしょうか。それならば、この記事は絶対に読まなければなりません。なぜなら大阪医科薬科大学は私の講師としての指導歴の中で最も多くの合格者・入学者を出した大学だからです。正直な話、手の内を知り尽くしてます。えっと・・・今数えてみましたが合格者は13名・入学者は7名です(殆ど家庭教師や個別指導で教えた生徒です)。入学率が高いと思いませんか?(理由は以下に説明します)
合格者数は近大医とタイ記録くらいです。このように多数の合格者を輩出してまいりましたので、当大学入試突破のノウハウについて最新かつ確かなものを提供できるかと思います。また、入学した生徒と現在も繋がっておりますので、とっておきの内部情報とかもたくさんあります(こちらについてはいっぺんにではなく徐々に更新していく・または別記事の形でお知らせしていきます)。有益なノウハウが凝縮された少し濃度の濃い記事となっておりますが、どうぞ最後までお付き合いください。
まずは大阪医科薬科大学の入試データや各科目の傾向分析についてまとめましたので、こちらからお読みください!
★入試データ(入試科目と配点)
【一般入試前期日程】
≪1次試験:筆記試験(400点満点)≫
英語100 数学(ⅠA・ⅡB・Ⅲ)100 理科200(物理・化学・生物から2科目選択)
≪2次試験:小論文・面接(段階評価・点数化無し)≫
【一般入試後期日程】
≪1次試験:筆記試験(400点満点)≫
英語100 数学(ⅠA・ⅡB・Ⅲ)100 理科200(物理・化学・生物から2科目選択)
≪2次試験:小論文・面接(段階評価・点数化無し)≫
【共通テスト利用入試】
≪1次試験:共通テスト(700点満点)≫
英語200(リスニング40) 数学ⅠA100・ⅡB100 理科200(物理・化学・生物から2科目) 国語100
≪2次試験:小論文・面接(段階評価・点数化無し)≫
【正規合格者最低点】
2023年:前期252/400・後期240/400
2022年:前期255/400・後期258/400
★各科目の傾向分析と対策
【英語】
≪試験時間:80分 問題構成:大問3題(全て記述式)≫
〈分析〉(前期・後期共通)英文解釈2題と英作文1題という、京大英語に近い問題構成となっています。ただし、難易度自体は京大よりはるかに易しいです(英作文の文章もかなり短い)。分量は適量で、余裕をもって解答できます。ただし、一般的な私大医の出題形式とは異なり完全に国立型の出題構成であるため、苦手意識のある受験生には難しく感じるでしょう。さらに(これはある程度確信をもって言いますが)採点がかなり厳しいと思います。それも質の高い答案には高い点数を、半端な答案には限り無く0点に近い得点を、といった実力に応じた明確な差別化を行っているような印象です。
【数学】
≪試験時間:90分(2024より100分→90分) 問題構成:大問5題(全て記述式)(2024から4題になる可能性あり)≫
〈分析〉(前期・後期共通)全問記述式で、本格的に作り込まれていますが、難易度自体は典型的かつ標準的な問題が中心となっています。2024から試験時間が従来の100分から90分に変更となりました。
それに伴い大問数は恐らく従来の5題から4題に、1問あたりの負担が若干増えると現時点では予想しております。
試験時間は大問4題に対し90分ですが、1題あたりの分量がそこまで多くはありません。私大医学部としては非常に珍しく、整数分野や図形問題(ただし初等幾何寄り)が頻出しており、どこか京大入試を易しくしたような雰囲気です。他の分野では「確率」「複素数平面」「微分」「積分」が頻出です。
採点は恐らく甘めだと思われます。
※10段階難易度評価:7
【物理】
≪試験時間:60分(2科目で120分) 問題構成:大問4題)≫
〈分析〉(前期)大阪医科薬科大学の物理は内容は標準的で定番のパターン問題が多いのですが、ただし若干分量が多めで、その点を考慮するとやや難といえます。試験時間がタイトなため1題に固執せず(無理に全問完答しようとせず)、解ける問題(大問)を見極め手際よく解き進めていく要領の良さが要求されます。当大学についても良問の風や名問の森を用いた演習で十分合格点に達します(解答解説は誤魔化しが多く個人的に好みませんが問題選定は素晴らしい(定番と言ってもよい)問題集ですので“良質な物理講師”の指導監督の下使用しましょう)。
(後期)前期試験打って変わって、かなり作問が雑です。作り置きの典型問題を急いでそのまま貼り付けたような印象すら受けます。難易度も前期より易しく、取り組みやすいのですが、前期入試問題から伝わる本気オーラが感じられません。まあ順当に高得点を狙っていくだけですね。
【化学】
≪試験時間:60分(2科目で120分) 問題構成:大問3題≫
〈分析〉(前期)大阪医科薬科大学の化学は典型的で取り組みやすい問題が多く分量も適量です(全体の難易度はやや易~標準)。合格には高得点(最低7割)が絶対に必要です。特に有機化学は日頃の演習を積んでいれば短時間で満点が取れます。一方理論化学では若干難しい問題もしばしばみられるので、簡単な大問を手早く片づけて余剰時間を作り、じっくりと取り組めるようにしましょう。
(後期)物理と同様に後期入試は作問者のモチベーションが若干下がっているのか、簡素で味気ない典型問題のみの出題となっています。ちなみに非難しているわけではありません。紙1枚に大問4題が収まった問題用紙をみれば誰でもそう思います(前期日程では丁寧に作ってあります)。難易度についても前期より明らかに易しく、8割は取りたいです。
★非公式情報(再受験多浪差別・入学後の進級の厳しさなど)
【再受験・多浪差別】
前期:全く無し。補欠候補を選別する面接試験においても受験生の属性でなく、面接の内容に応じて厳正に選別されます。再受験生・多浪生共に合格実績多数で、安心して受験できます。
後期:基本的には無いと言ってよいですが、面接は前期と比べて厳しく、慎重に行っているようです。合格最低点を超えて不合格(面接一発不合格)となるケースがしばしば見受けられます。
【入学後の進級の厳しさ】
以前はとても緩かったのですが、近年若干厳しくはなりました。現在当大学に進学した元生徒に聞き取り調査中です。詳細について判明しましたら更新いたします。
★大阪医科大学・所感とアドバイス
私大医学部を含め医学部を目指しておられる受験生にもう一つ、特にお伝えしたいことがあります。
それは大阪医科薬科大学は「英語特化型」の受験生の合格率が特に高いということです(兵庫医科大学ほどはありませんがその傾向は間違い無くあります)。英語が不得手な受験生はかなり苦戦を強いられる思われます(「理数特化型」の場合は突き抜けて点を稼ぐ必要あり)。これは上記で述べた通り、英語において上位層下位層で大きな得点差を付けているためです。また、理科の選択については化学・生物選択者が若干有利であることが多いです(物理より生物の方が得点しやすい)。実際のところ私がこれまで関わった受験生を見ても、英語が得意・理科は化学生物選択という受験生の合格率がかなり高いです。物理化学選択の受験生については(数学が苦手でも)決まって英語はそこそこ仕上げておりました。ちなみに近畿大学不合格で大阪医科薬科大学は合格という生徒がかなり多数います。近大医と大医の合格要件がほぼ逆だからでしょうか。
また、「他大学が全て不合格で大阪医科後期日程のみ合格」という生徒も複数名いました。したがって大阪医科前期日程が不合格・国立大学が不合格でも最後まであきらめずチャレンジしてみる価値は十分ありです(前期と比べて後期の合格者の学力は若干低いです。後期でもチャンスは十分にあります)
また、何と言っても大阪医科大学は立地が最高です。6年間楽しい学生生活を遅れることでしょう。入学後の進級も(他の私大医と比べると)比較的緩めであるため、個人的にかなりおすすめの大学です。
★大阪医科薬科大学のまとめ
①前期日程は再受験生多浪生差別は全く無いクリーンな入試。入学後の進級は緩めで立地も最高。是非とも受験校の一つとして検討したい。
②英文読解や英作文の難易度自体は決して高くは無いが地力に応じて明確に点差が付くため、英語特化型の受験生(特に生物選択)が合格しやすい(最重要事項)。英語が苦手な受験生は極めて不利になるので、単語力熟語力を効率よく伸ばし、英文読解や英作文の場数をとにかくこなしたい。
いかがでしたでしょうか。個人的に大阪医科薬科大学も自信を持って進学をお勧めできる良い大学です。要求される学力ハードルは高いですが地道な努力が実りやすいある意味手堅い大学だと思いますので是非挑戦してみてください!
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